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研究と報告
昼間病室における精神分裂病治療の経験—生活臨床の立場から
著者: 伊勢田堯1 石川辰夫1 中沢正夫1
所属機関: 1群馬大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.245 - P.253
文献購入ページに移動I.はじめに
この研究は“デイ・ケア論”についてではない。したがって,デイ・ケアの歴史,制度,建物,治療スケジュールなどいわゆる,デイ・ケアの枠組について多く触れるつもりはない。主たる目的はデイ・ユニットにおける分裂病治療そのものについての我々の経験と教訓を述べることにある。
はじめに,このようにことわる理由は従来のデイ・ケアの実践報告1,2,4,8,9)の多くが,その経済的要因や施設・設備,治療スケジュールなど主にその制度上のいわば医療の枠組の報告に重点がおかれている印象を受けるからである。例えば,加藤,石原らのまとめた「デイ・ケアの実際」6)は諸外国の現状および特にわが国での到達点を多面的に検討した労作であるが,それを通覧しても,デイ・ケアの意義,規模,患者の適応,治療プログラムなどに論述の力点がおかれ,デイ・ケアの実際,治療場面の論述になると,やや精彩を欠く憾みがないわけでもない。
この研究は“デイ・ケア論”についてではない。したがって,デイ・ケアの歴史,制度,建物,治療スケジュールなどいわゆる,デイ・ケアの枠組について多く触れるつもりはない。主たる目的はデイ・ユニットにおける分裂病治療そのものについての我々の経験と教訓を述べることにある。
はじめに,このようにことわる理由は従来のデイ・ケアの実践報告1,2,4,8,9)の多くが,その経済的要因や施設・設備,治療スケジュールなど主にその制度上のいわば医療の枠組の報告に重点がおかれている印象を受けるからである。例えば,加藤,石原らのまとめた「デイ・ケアの実際」6)は諸外国の現状および特にわが国での到達点を多面的に検討した労作であるが,それを通覧しても,デイ・ケアの意義,規模,患者の適応,治療プログラムなどに論述の力点がおかれ,デイ・ケアの実際,治療場面の論述になると,やや精彩を欠く憾みがないわけでもない。
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