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文献概要
研究と報告
子供の精神病を疑う親の事例
著者: 大原富美夫1
所属機関: 1東京大学医学部精神衛生学教室
ページ範囲:P.277 - P.283
文献購入ページに移動I.はじめに
本論文は,自分の子供が精神病であることを心配する親の事例研究である。なおそのことを通して,精神病診断に対する一般人の反応,またそのことの精神医療上の意義についても考察を進めようと思う。
筆者は神奈川県立精神衛生センター(以下センターと略称)において,約3年間精神衛生相談に携わってきたが,自分の子供が精神病ではないかと心配して相談に来所する親が非常に多いことに興味を覚えた。ちなみにセンターに相談に来所したケースのうち,精神病を疑って来所したケースの占める割合を見ると次表のようになる1)。
本論文は,自分の子供が精神病であることを心配する親の事例研究である。なおそのことを通して,精神病診断に対する一般人の反応,またそのことの精神医療上の意義についても考察を進めようと思う。
筆者は神奈川県立精神衛生センター(以下センターと略称)において,約3年間精神衛生相談に携わってきたが,自分の子供が精神病ではないかと心配して相談に来所する親が非常に多いことに興味を覚えた。ちなみにセンターに相談に来所したケースのうち,精神病を疑って来所したケースの占める割合を見ると次表のようになる1)。
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