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古典紹介
—Hermann Simon—Aktivere Krankenbehandlung in der Irrenanstalt
著者: 木村敏夫1 坂口正道2 広沢道孝1 矢野和之1
所属機関: 1茨城県立友部病院 2東京都立梅丘病院
ページ範囲:P.309 - P.321
文献購入ページに移動この論文は,著者が種々の報告で述べてきた考えをくり返したものである(1923年イエナにおけるドイツ精神病院長会議,1924年インスブルックにおけるドイツ精神医学会,1926年ハノーヴァーにおけるニーダーザッヘンとウェストファレンの精神科連合会,1927年アムステルグムにおけるオランダ精神神経科学会)。これらの報告に引き続いて行なわれた種々の討論についても,順次ふれるつもりであるが,そこで生ずる全ての問題を余すところなく論ずることは,この種の論文の枠内では到底不可能である。また近年精神科看護が発展してきているので,読者には既に陳腐なことと思われることが多いかもしれない。しかしなお私は,基本的には最初の報告における当初の考えを未だ変えていない。というのは,これらの報告は今まで出版されたことはないのに,実践面においては多くの変革に刺激を与えてきたからである。
本論文の表題が理解されれば,本論文が精神疾患の治療に何か全く新しい道を示そうと企図しているのでないことが分かろう。「積極的」治療ならば,確かに全ての医師が多少なりとも行なっている。何故なら実際の治療というものは全て,手当することであるから積極的なのである。ただ観察しているだけでは,全然治療にならない。私は「より積極的」という比較級を強調する。そして病院での実践経験から誰もが知っており,部分的にはむしろ古臭い治療方法でも,目的をはっきり定めて適用すれば,以前一般に考えられていたよりも,ずっと多くのことを達成できることを示したいのである。
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