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文献詳細

雑誌文献

精神医学18巻4号

1976年04月発行

研究と報告

ヒトの睡眠に対するLopramineとAmitriptylineの影響—終夜睡眠ポリグラムと睡眠内省による検討

著者: 中沢洋一1 小鳥居衷1

所属機関: 1久留米大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.419 - P.425

文献概要

I.はじめに
 ヒトや動物のREM睡眠に対して,amitriptylineやimipramineは強い抑制作用をもつことが知られている1,2,3,7,8,19,20)。ヒトや動物のREM睡眠を抑制する薬物はこの他にも少なからず知られてはいるが,amitriptylineやimipramineなどの三環系抗うつ剤は,その抑制作用が強力であることと,回復夜でREM睡眠の反跳現象が現れにくいという2つの点で注目され,臨床的な抗うつ作用との関係が議論されている。例えば,これらの薬物の抗うつ作用は,上述のREM睡眠に対する作用と密接な関係があるのではないかと推定するHartmannの主張もその一つである4,5)
 Lopramineは最近,スエーデンで合成されたimipramine誘導体に属する三環系化合物である。その臨床治験に関する国内の文献を検討してみると,imipramineやamitriptylineとほぼ同等の抗うつ効果が認められているが,末梢性抗コリン作用による副作用は少なく,催眠作用はないかあるいは軽いという点でimipramineやamitriptylineとは異なっているといわれている10,11,16,21)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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