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研究と報告
精神分裂病者の社会復帰—医師,患者および家族の主観的予測を中心として
著者: 坂部先平1 永井久之1 郡暢茂1 福島修1 黒木健次1 鹿野寿満1
所属機関: 1日本大学医学部精神神経科
ページ範囲:P.493 - P.499
文献購入ページに移動最近の向精神薬の発達は病院精神医学に革命的変化をもたらし,分裂病者の社会復帰を促すための社会療法的アプローチが,問題にすべき点がないとはいえぬが熱心にすすめられている。しかしながら,論点を慢性化あるいは院内寛解に達したまま長期在院中の患者に限ってみると事情はほとんど変わっていないことも事実である。本来は社会復帰直前の準備のために用意された病棟が,長期在院を止むなくされている患者の停滞,沈澱によって,復帰困難者の病棟の観を呈していることは多くの病院に見られる現象といってよいであろう。現在の精神病院にあっては,患者個人の側にある要件によるよりも家庭を含めた社会の側の要件のために,軽快ないし寛解がそのまま退院につながっていないのである。
このことは従来から注目されているところで,種々の研究がなされているが,本研究ではやや角度を変えて,医師,患者および家族の社会復帰に関する予測ないし構えを中心として推計的な検討を行なった。
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