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研究と報告
皮膚寄生虫妄想を主症状とする感応性精神病の1家族例
著者: 横山茂生1 岩井闊之1 久保信介1 渡辺昌祐1
所属機関: 1川崎医科大学精神医学教室
ページ範囲:P.527 - P.533
文献購入ページに移動ある個人に起こった精神障害,特に妄想体験が,その患者と密接な関係にある者に移入伝達される状態は,1877年LasèqueとFalretによる「二人での精神病」(folie à deux),1883年Lehman2)による,「感応精神病」(induzierten Irresein)の発表以来,遺伝生物学,現象学,深層心理学の立場から種々論じられてきた。そして最近では,発症した2人の病前からの心理的結合に注目して,"psychosis of association"と呼ぶ名称も付されている。
現在ではfolie à deuxはGralnick3)により次の4型に分類されている。即ち,a)強制性精神病(folie imposée),b)同時性精神病(folie simultanee),c)伝達性精神病(folie communiquée),d)感応性精神病(folie induite)の4型である。これらの詳細は,既に篠原5)がfolie a deuxについての文献的考察をしている。
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