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文献詳細

雑誌文献

精神医学18巻5号

1976年05月発行

文献概要

研究と報告

非定型精神病の炭酸脱水酵素阻害剤(Acetazolamide)による治療経験

著者: 井上寛1 挾間秀文1 福間悦夫1 中沢和嘉1 浜副薫1 古賀五之1

所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.543 - P.548

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I.はじめに
 非定型精神病については,古くからその症候学的,疾病学上の論義が多くなされている。一方,非定型精神病に対する治療としては現在,強力精神安定剤,抗うつ薬,あるいはcarbamazepine,ホルモン療法,リチウム塩療法など種々に行なわれているが,治療に容易に反応しない例も多く,慢性に経過し,欠陥を残しているものも少なくない2,4,5)
 著者らは,さきに,特異な症状と経過をもち遷延し,種々の治療に難治であった非定型精神病の1例に,炭酸脱水酵素阻害剤(以下CAH阻害剤と略す)の1種であるbenzanilamideを用い寛解に達し,その後acetazolamideを用いて,著明な改善と予防効果を得ることができた。その症例について非定型精神病の病態生理学的所見とあわせて考察し,報告した4)。その後,やはり特異な症状と難治性であった非定型精神病を経験し,それらにacetalamide(Diamox 250mg錠)を用いよい治療結果を得たので,非定型精神病の病態生理と治療との関連について考察を行なった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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