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特集 在宅精神医療—日常生活における指導と治療
Ⅰ.在宅精神障害者の動態(実態)とその処遇—何に困っているか,何ができるか,何をなすべきか
農村地域(群馬)における精神障害者の生活状況
著者: 国友貞夫1 伊勢田成子1 小川一夫2 小坂喜一郎2 宮真人2
所属機関: 1利根中央病院精神神経科 2群馬大学医学部精神神経学教室
ページ範囲:P.615 - P.625
文献概要
この論文の目的は,農村地域における精神障害者の生活実態を明らかにすることにある。農村での精神障害者の集団としての推移,個々の精神障害者の処遇の変遷,現在の生活状況と問題点などの分析を通して「何に困っているか,何ができるか,何をなすべきか」について考察してみたい。
もちろん,農村と一言にいっても都市近郊,平野部,山間などと地域によりその実態は大きく異なっていると考えられる。
著者らが,この目的のために選んだ農村は群馬県利根郡白沢村という人口3,000人余の山村である。この村を選んだのは,第1に昭和40年以降、保健婦により,いわゆる「地域精神衛生活動」が展開され,精神障害者一人一人の動きが,点としてではなく流れとして把えられていること,第2には小村のため,保健婦による精神障害者把握は悉皆調査に匹敵すると考えたからである。
なお,ここで用いられる資料は日常活動の集積であり,必要な補足的調査は昭和50年11月に行なわれた。
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