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特集 在宅精神医療—日常生活における指導と治療
Ⅱ.日常生活(在宅)における生活療法—その理念とプログラム
著者: 菱山珠夫1
所属機関: 1都立世田谷リハビリテーション・センター
ページ範囲:P.637 - P.644
文献購入ページに移動I.はじめに
数年来,精神科領域においては,さまざまな疾病観,治療観の相違による論争が巻き起こっており,それが,現実の医療活動に,多くの影響を与えてきている。
しかし,同時に,臨床医である筆者の目の前には,その原因は何であれ,精神機能に変調をきたし,その表現(症状)として,生活行動上(言動)にさまざまな偏りを生じ,その結果として,それまで過ごしてきた社会生活の場に対応できず,従って自己実現の機会,方途すら見失い,苦悩する多くの人々(病者)が存在している。彼らが,臨床医である私に問うていることは,その苦悩をどれだけ理解し,共感するかではなく,その苦悩をどれだけ軽減するかであり,そのために,医療技術者として,具体的に,どのような援助を提供できるのかということであろう。
数年来,精神科領域においては,さまざまな疾病観,治療観の相違による論争が巻き起こっており,それが,現実の医療活動に,多くの影響を与えてきている。
しかし,同時に,臨床医である筆者の目の前には,その原因は何であれ,精神機能に変調をきたし,その表現(症状)として,生活行動上(言動)にさまざまな偏りを生じ,その結果として,それまで過ごしてきた社会生活の場に対応できず,従って自己実現の機会,方途すら見失い,苦悩する多くの人々(病者)が存在している。彼らが,臨床医である私に問うていることは,その苦悩をどれだけ理解し,共感するかではなく,その苦悩をどれだけ軽減するかであり,そのために,医療技術者として,具体的に,どのような援助を提供できるのかということであろう。
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