文献詳細
巻頭言
文献概要
エルンスト・クレッチメル教授は1918年に「敏感関係妄想—パラノイア問題と精神医学的性格研究への寄与」なる論文を発表した。「敏感関係妄想」の精神医学における位置づけについては,この書の私の日本語翻訳版のための原著者の序に極めて適切に述べられていて余すところがない。今にして思えば,この原著者の序は,クレッチメル教授が多次元精神医学,即ち多次元診断と多次元治療の思想を自ら集約され残された珠玉の文となった。
私がこの書の翻訳を志したのは,私が1945年北海道大学精神病学教室に在った時であるが,1955年,アキレサンダー・フォン・フンボルト財団給費留学生として渡独,チュビンゲン大学精神病学教室クレッチメル教授の門に入った。当時,ホーヘン・チュビンゲン城の見渡される教授室で,教授はこの書の日木語翻訳を許可され,奨励され,私の願いによって日本語翻訳版の原著者の序を寄せられた。この原著者の序は,私にとってカスタニアの花咲くチュビンゲン大学精神病学教室とクレッチメル教授同想の文となった。
私がこの書の翻訳を志したのは,私が1945年北海道大学精神病学教室に在った時であるが,1955年,アキレサンダー・フォン・フンボルト財団給費留学生として渡独,チュビンゲン大学精神病学教室クレッチメル教授の門に入った。当時,ホーヘン・チュビンゲン城の見渡される教授室で,教授はこの書の日木語翻訳を許可され,奨励され,私の願いによって日本語翻訳版の原著者の序を寄せられた。この原著者の序は,私にとってカスタニアの花咲くチュビンゲン大学精神病学教室とクレッチメル教授同想の文となった。
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