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文献詳細

雑誌文献

精神医学18巻8号

1976年08月発行

文献概要

研究と報告

“Transient Fluent Aphasia”とGerstmann症状群

著者: 八島祐子1 丸子一夫1 高谷雄三1 石下恭子1

所属機関: 1福島県立医科大学神経精神医学教室

ページ範囲:P.847 - P.852

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I.はじめに
 左右障害,手指失認,失算および失書を四症状とするGerstmann症状群9〜13,15)(以下G症状群と略す)は,既知の症状群として広く認められている。それにもかかわらず,その原因や症状発生機転については諸説があり,本症状群の存在の有無について疑念を抱いている人々さえおり定説がない1,3,19〜21)
 臨床上,私達は,左右障害,手指失認,失算および失書などの症状が同時に存在する症例を多数経験しており,Gerstmannの原著にみられる上記の四症状を従来通りG症状群の基本症状と考える。実際にはこれらの四症状のほかに,失読,身体部位失認,健忘失語などが随伴することがあり,Gloningら8)は“enlarged” Gerstmann syndromeと称し,臨床的単位として扱っている。症状群発現の損傷部位の中心をなすのは,優位半球の頭頂部・後頭葉移行部,即ち,角回であることは従来諸家が認めている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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