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研究と報告
思春期のうつ病—1患者の思春期状況の検討を通して
著者: 西田博文1
所属機関: 1倉光病院
ページ範囲:P.865 - P.871
文献購入ページに移動I.はじめに
「子どもはおとなの雛型ではない」という認識によって,かつて内科学から小児科学が分離したと同じような意味で,〈思春期精神医学〉が,精神医学の大系の中でその地歩を占めつつある。即ち「思春期は,児童期の終わりでもなければ成人期の始まりでもない」という独自性についての認識を,その前提とするのである。
こうした観点から,思春期の特質との関連において,精神医学的障害の再検討が試みられている。このことは神経性食欲不振症,正視恐怖・体臭恐怖など思春期に独自の障害ばかりでなく,過去その起始的意義しか認められていなかったいわゆる内因性精神病にまで至っている。こうした努力によって,新しい局面が開かれるかもしれないという期待的予測に立っているのである。
「子どもはおとなの雛型ではない」という認識によって,かつて内科学から小児科学が分離したと同じような意味で,〈思春期精神医学〉が,精神医学の大系の中でその地歩を占めつつある。即ち「思春期は,児童期の終わりでもなければ成人期の始まりでもない」という独自性についての認識を,その前提とするのである。
こうした観点から,思春期の特質との関連において,精神医学的障害の再検討が試みられている。このことは神経性食欲不振症,正視恐怖・体臭恐怖など思春期に独自の障害ばかりでなく,過去その起始的意義しか認められていなかったいわゆる内因性精神病にまで至っている。こうした努力によって,新しい局面が開かれるかもしれないという期待的予測に立っているのである。
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