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研究と報告
象徴的減感法のイメイジ統制による恐怖症の1治験例
著者: 藤原勝紀1
所属機関: 1九州大学教養部
ページ範囲:P.887 - P.893
文献購入ページに移動I.はじめに
本報告は,象徴的減感作Symbolic Desensitizationなる特異な治療的現象に基づいて考案された治療手続きを検討する過程で得た1症例の報告である(藤原・成瀬,1973)。ここで観察された現象には,心理療法の観点からみると,神経症的不安・緊張の減感作という行動療法的な説明とともに,その現象の意味内容に,精神分析的な説明も可能ではないかと思われる。また,心理学的な一般的現象としての象徴化の問題を,イメイジ統制や操作の観点から検討していくうえでも興味ある現象が観察されたように思われる。
そこで,症例にみられた現象を,可能な限り具体的な事実に即して記述し,考察を試みることとする。
本報告は,象徴的減感作Symbolic Desensitizationなる特異な治療的現象に基づいて考案された治療手続きを検討する過程で得た1症例の報告である(藤原・成瀬,1973)。ここで観察された現象には,心理療法の観点からみると,神経症的不安・緊張の減感作という行動療法的な説明とともに,その現象の意味内容に,精神分析的な説明も可能ではないかと思われる。また,心理学的な一般的現象としての象徴化の問題を,イメイジ統制や操作の観点から検討していくうえでも興味ある現象が観察されたように思われる。
そこで,症例にみられた現象を,可能な限り具体的な事実に即して記述し,考察を試みることとする。
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