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研究と報告
向精神薬長期服用者にみられた脳炎様状態—“Syndrome Malin”と関連して
著者: 久郷敏明1 品川昌二1 黒田重利2 細川清2
所属機関: 1公立上下湯ケ丘病院 2岡山大学神経精神科
ページ範囲:P.945 - P.950
文献購入ページに移動1950年Charpentierがchlorpromazineの合成に成功し,本物質の持つ中枢神経系,自律神経系に対する薬理作用の発見がなされ,1952年Delayによる精神科領域へのchlorpromazine導入は,その後の種々の向精神薬の出現とあいまって精神病の治療に画期的な進歩をもたらした。しかし一方で,これらの薬物の使用に伴う副作用の出現が問題となり,それ自体精神薬理学における重要な課題となってきている。最近我々は長期にわたる向精神薬療法の過程において,急速に錐体外路症状,自律神経症状,意識障害,発熱の出現を示し,しかもその病因が向精神薬の慢性中毒と考えられた症例を経験した。従って臨床特徴を報告するとともに,発現機序につき若干の考察を加える。
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