icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学18巻9号

1976年09月発行

文献概要

研究と報告

Lennox症状群の成人例と考えられる難治性てんかんの1例—特に臨床脳波学的検討

著者: 日向野春総1 大高忠2 一瀬邦弘1 村松信子1

所属機関: 1東京医科歯科大学神経精神医学教室 2独協医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.967 - P.975

文献購入ページに移動
I.はじめに
 1939年にGibbsら10〜12)は,従来の3c/s spike & wave dischargeよりも周期の遅いslow rhythmical splke & waveに注目してpetit mal variantと命名した。その後,脳波上にこの突発波を示す一群のてんかん発作について,症候学的に検討したLennoxはこれをakinetic seizure,ついでastatic seizureとして,小発作群の一型に分類した17)。しかし,その症候学的・臨床脳波学的特異性が注目されて種々の報告がなされ2,18,28),最終的にはGastaut4)により1966年,childhood epileptic encephalopathy with diffuse slow spike & wave or Lennox syndromeとしてまとめられて,West症状群と同様に一症状群として独立性を与えられた。
 このLennox症状群について臨床像,脳波学的報告2,6,13,15,16,20,21)は国内外で多くみられ,国内では大田原ら23,24)が詳細に報告している。それらを総括すると臨床像の特異性は現段階ではほぼ整理されている。しかし,Gastautらが観察し,発作発射として考えたepileptic recruiting rhythm,大田原らの報告したrapid rhythlnといわれる脳波所見については種々の議論があり,これを本症状群に特有のものか,Gibbsらのgrand mal seizure dischargeと同一のものと考えるかが争点である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?