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文献詳細

雑誌文献

精神医学19巻1号

1977年01月発行

研究と報告

Klinefelter症状群の心理テスト

著者: 河田信之13 青木恭規2

所属機関: 1東北大学医学部神経精神科 2国立仙台病院精神科 3現在弘前大学教育学部

ページ範囲:P.63 - P.68

文献概要

 われわれは一応正常な社会生活,職業生活を営んでいるKlinefelter症状群の13例について各種の心理テストを施行し,その結果について検討を加えた。
 施行した心理テストは知能テスト(WAISまたは鈴木ビネー),ロールシャッハ・テスト,Y-G性格検査,およびMMPIである。知能テストの結果では軽度の知能障害を有する傾向が認められ,全例の平均のIQは77.7であった。またWAISの言語性IQと動作性IQとの比較では動作性IQの高いものが多く,さらにサブテストの得点では類似問題および単語問題において成績の悪いものが多かった。ロールシャッハ・テストでは反応数少なく消極的・抑制的で,内的想像活動や情緒表出の活発さに欠けるなどの特徴がみられた。さらにY-G性格検査ではA類型およびC類型を示すものが多く,MMPIではHs,D,Hyのいわゆる神経症尺度で高得点を示すものがやや多くみられた。
 以上の心理テスト所見を本症状群における基本所見とみなし,心理学的・精神医学的観点から考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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