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文献詳細

雑誌文献

精神医学19巻10号

1977年10月発行

研究と報告

Wernicke脳症の1例

著者: 工藤孝行1 高木洲一郎1 小宮英靖1 本多虔夫1

所属機関: 1横浜市立市民病院神経科

ページ範囲:P.1051 - P.1056

文献概要

I.はじめに
 欧米においては,Wernicke脳症はまれではなく,VictorとAdams19)のBoston City Hospitalの統計によれば,アルコール性神経疾患の3%を占めるという。しかし,本邦においての報告は必ずしも多くはなく,現在まで臨床例,剖検例合わせて55例であり,かつアルコール性の女性例の報告は皆無である。一方,Wernicke脳症の原因としてthiamine欠乏がいわれているが,現在までの報告例の中にもthiamineの定量的な検討例は少ない。われわれは最近,アルコール性Wernicke脳症の女性臨床例を経験し,血中thiamine値の低下を認めたのでここに報告する。また,Wernicke脳症について,自験例を含めた本邦例と欧米の報告例とを比較検討し,併せてthiamineとの関連について文献的考察を加えたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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