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文献詳細

雑誌文献

精神医学19巻11号

1977年11月発行

研究と報告

葡萄膜髄膜脳炎(Vogt—小柳—原田)症候群—特に脳波所見を中心として

著者: 鈴木隆1 田中宣彦2

所属機関: 1国立札幌病院神経科 2国立札幌病院眼科

ページ範囲:P.1173 - P.1179

文献概要

I.はじめに
 Uveomeningoencephalitic syndrome(葡萄膜髄膜脳炎症候群)は重要な神経学的合併症を有する比較的まれな神経眼科疾患であり,葡萄膜炎,いろいろな程度の髄膜脳炎,聴力障害,白斑および白髪などが連合して出現することが特徴とされている。
 この症候群の神経学的側面に関しては,徐々に認識されてきており,Walsh8)はこのことを彼の神経眼科教科書にまとめている。
 Reedら6)は,とくに本症候群が頭蓋内圧亢進を示したときに,開頭術を必要とする他の急性脳疾患から鑑別することの重要さに注意を喚起している。Pattison5)は仮性脳腫瘍,多発性硬化症,Behcet症候群および耳下腺炎,葡萄膜炎,顔面神経麻痺を伴うuveoparotid feverの異形としてのsarcoidosisなどとの鑑別の困難さを指摘している。また彼は本症候群で重篤な脳炎をきたす症例は,一過性の脳波異常をきたすことを報告したCantat & Rouherらの論文を紹介している。
 われわれは眼科的にuveomeningoencephalitic syndromeと診断された症例に脳波学的検索を試みる機会を得たのでここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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