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研究と報告
精神病理学におけるEidologie(形相学)の意義
著者: 吉永五郎1
所属機関: 1国立別府病院精神科
ページ範囲:P.1181 - P.1187
文献購入ページに移動I.はじめに
現在の精神病理学の混迷を打開するため,1975年9月26日から2日間,ドイツ語圏精神病理学にあずかる研究者を集め,オーストリアのGrazで第1回日独墺精神病理学会議が開催された。そのテーマの1つは方法論の再検討であり,それにかかわる諸問題の解決策を討議することにあった。
この危機状況2)は,すでに1957年K. Conradにより指摘され,当時その解決策として「ゲシュタルト分析」が提唱された。この方法は基礎となる心理学自体のもつ限界もあって,提唱者の意図に反し,その後の発展がみられず,危機は解決されぬままに進行し,現在の混迷状態に陥るに至った。
私はこの会議で,Eidologieを解決策の1つとして提唱したが,この方法論は,これまで情神病理学研究の場で,ほとんど論ぜられたことがなく,したがって本論文で,学としてのその意義を述べたいと思う。
現在の精神病理学の混迷を打開するため,1975年9月26日から2日間,ドイツ語圏精神病理学にあずかる研究者を集め,オーストリアのGrazで第1回日独墺精神病理学会議が開催された。そのテーマの1つは方法論の再検討であり,それにかかわる諸問題の解決策を討議することにあった。
この危機状況2)は,すでに1957年K. Conradにより指摘され,当時その解決策として「ゲシュタルト分析」が提唱された。この方法は基礎となる心理学自体のもつ限界もあって,提唱者の意図に反し,その後の発展がみられず,危機は解決されぬままに進行し,現在の混迷状態に陥るに至った。
私はこの会議で,Eidologieを解決策の1つとして提唱したが,この方法論は,これまで情神病理学研究の場で,ほとんど論ぜられたことがなく,したがって本論文で,学としてのその意義を述べたいと思う。
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