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紹介
—千谷 七郎 著—「今日の精神医学から」—(宮脇 昭・藤井 隆・時実 利彦・千谷 七郎 共著『人間とはなにか』所収)
著者: 飯田真1
所属機関: 1東京大学医学部分院神経科
ページ範囲:P.1202 - P.1204
文献購入ページに移動 本書「人間とは何か」は日本文化会議の月例講演会でそれぞれ生態学,生物学,大脳生理学,精神医学における代表的研究者が「人間とは何か」という主題について行なった講演を一冊の本にまとめたものである。本書に収められている論文はいずれも興味をそそられる内容のものであるが,ここでは千谷七郎氏の「今日の精神医学から」に焦点をしぼって紹介したいと思う。
千谷氏は自己完結的な独自な学問体系の構築を試みている,日本における数少ない磧学の1人であり,氏の単一精神病論,躁うつ病一元論はよく知られている。また病跡学の上でも「漱石の病跡」をはじめ多くの優れた業績を発表されている。昭和30年代に発表された躁うつ病の精神病理学や病跡学についての氏の先駆的研究は当時まだ若い精神科医であった私の眼を開かせ,躁うつ病や病跡学への関心をひきおこしたことがなつかしく想起される。
千谷氏は自己完結的な独自な学問体系の構築を試みている,日本における数少ない磧学の1人であり,氏の単一精神病論,躁うつ病一元論はよく知られている。また病跡学の上でも「漱石の病跡」をはじめ多くの優れた業績を発表されている。昭和30年代に発表された躁うつ病の精神病理学や病跡学についての氏の先駆的研究は当時まだ若い精神科医であった私の眼を開かせ,躁うつ病や病跡学への関心をひきおこしたことがなつかしく想起される。
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