文献詳細
研究と報告
文献概要
I.はじめに
多くのてんかん者に感情障害が合併することは,従来から知られている。これら感情障害は発作症状としても,発作間歇期症状としても認められる。発作症状としての感情障害は,てんかん発作の新国際分類1)にてもpartial complex seizureの第3項,affective seizureとして設定されている。しがし,感情という言葉は,大橋2)も指摘しているように大変定義しにくいもので,多彩な内容を有している。しかも,てんかんの臨床の種々な断面で出現するため,てんかんと感情障害との間題については,いまだ充分には整理されていない嫌いがある。文献的にも,発作症状としての情動についての業績は1950年代に集中し,60年代以降は,挿間性精視1症状としての感情障害,および"てんかん性笑い発作"に書研究の焦点がしぼられてきた。今回われわれは,発作症状としての感情障害につき文献的考察を行なうとともに,自験例を報告し,笑い発作との関連から若干の考察を加える。
多くのてんかん者に感情障害が合併することは,従来から知られている。これら感情障害は発作症状としても,発作間歇期症状としても認められる。発作症状としての感情障害は,てんかん発作の新国際分類1)にてもpartial complex seizureの第3項,affective seizureとして設定されている。しがし,感情という言葉は,大橋2)も指摘しているように大変定義しにくいもので,多彩な内容を有している。しかも,てんかんの臨床の種々な断面で出現するため,てんかんと感情障害との間題については,いまだ充分には整理されていない嫌いがある。文献的にも,発作症状としての情動についての業績は1950年代に集中し,60年代以降は,挿間性精視1症状としての感情障害,および"てんかん性笑い発作"に書研究の焦点がしぼられてきた。今回われわれは,発作症状としての感情障害につき文献的考察を行なうとともに,自験例を報告し,笑い発作との関連から若干の考察を加える。
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