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文献概要
特集 精神分裂病の精神生理学 巻頭言
特集にあたって
著者: 大熊輝雄1
所属機関: 1東北大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.314 - P.315
文献購入ページに移動 精神分裂病の研究は,身体主義的な考え方と心理主義的な考え方のあいだを振子のように揺れ動きながら発展してきたといわれる。しかし現在では,生物学的,心理学的,社会学的,人間学的など種々の立場からの研究をそれぞれ認めながら,分裂病を多元的,総合的に把握しようとする柔軟な考え方が一般に行なわれているように思われる。
従来は,精神分裂病の基本障害あるいは一次性障害は思考障害であるとする考えが一般的であったが,最近では注意,認知機能,もしくは初期の情報処理機能など,思考作用の前提をなす基本的な機能の障害を,分裂病の基本障害とする考え方もかなり行なわれるようになっている。もしこのような注意,認知,情報処理などの障害が分裂病の背景にあるとすると,この種の機能は精神機能といっても生物学的方法ないし生理学的方法によっても接近できる可能性がある領域であるから,分裂病の生物学的研究にひとつのよりどころを与えるであろう。
従来は,精神分裂病の基本障害あるいは一次性障害は思考障害であるとする考えが一般的であったが,最近では注意,認知機能,もしくは初期の情報処理機能など,思考作用の前提をなす基本的な機能の障害を,分裂病の基本障害とする考え方もかなり行なわれるようになっている。もしこのような注意,認知,情報処理などの障害が分裂病の背景にあるとすると,この種の機能は精神機能といっても生物学的方法ないし生理学的方法によっても接近できる可能性がある領域であるから,分裂病の生物学的研究にひとつのよりどころを与えるであろう。
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