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文献詳細

雑誌文献

精神医学19巻4号

1977年04月発行

文献概要

特集 精神分裂病の精神生理学

精神分裂病における視覚,特にパターン刺激に対する脳波反応

著者: 相田誠一1 武内広盛1 澤政一1

所属機関: 1新潟大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.369 - P.376

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I.はじめに
 精神分裂病における,精神生理学的アプローチの方法としては,安静時脳波,閃光刺激時の脳波反応,いわゆる誘発電位の解析や検出による種々の試みが,従来多くなされてきている3,5)
 これらの研究を通じて,分裂病の病態生理学的特徴が,分裂病者の臨床症状,あるいは心理学的特徴と関連づけて考えられてきた。このうち,分裂病の心理学的特徴については,種々の議論があるが,分裂病者にみられる認知の歪み,あるいは知覚障害などが,分裂病の基本的特徴とまでいかなくとも,かなり重要な特徴とみなし,このような認知,知覚の障害から分裂病の諸特徴を演繹的に説明しようという試みもある2,6)
 われわれは,このような知覚あるいは,認知などの心理学的側面と脳波反応のような生理学的側面との関連性を考慮に入れつつ,特定の図形刺激による,脳波反応が,正常者や失認を伴う失語症患者の両者における反応態度の差異について調べた1)
 今回は,分裂病者にも同様の方法を適用し,特に図形認知に伴う誘発電位に見られるような反応態度に,何らかの特徴的所見が見られるか否かを検索してみた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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