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巻頭言
精神科医の立場
著者: 諏訪望1
所属機関: 1埼玉医科大学神経精神科センター
ページ範囲:P.442 - P.443
文献購入ページに移動 精神科医とはいったいなんであろうか。われわれはひごろ精神科医同志のあいだばかりでなく,広く医療の分野において,さらにまた社会のなかで,たがいにわかっているつもりで精神科医ということばを使い,また自分でも精神科医であると思いこんでいる。ところでよく考えてみると,自分が精神科医であると意識することは,良い意味においては責任の所在を明確にすることになるが,もしも方向を誤れば,救いがたい独善におちいることにもなる。
精神科医といっても,それはもちろん法律によって規定された資格ではないし,またわが国では公認された基準もない。さらに不思議なことに,臨床経験と平行して精神科医としての自信が増強するわけではなく,むしろその反対の場合が多いことも事実である。一方,精神科医としての意識は,社会や医療のなかで当面する諸問題から自分自身の在り方にいたるまで,さまざまな状況に対応することを必要としながら,しかもその一貫性が要請されるところに,その意味が見出されなければならない。
精神科医といっても,それはもちろん法律によって規定された資格ではないし,またわが国では公認された基準もない。さらに不思議なことに,臨床経験と平行して精神科医としての自信が増強するわけではなく,むしろその反対の場合が多いことも事実である。一方,精神科医としての意識は,社会や医療のなかで当面する諸問題から自分自身の在り方にいたるまで,さまざまな状況に対応することを必要としながら,しかもその一貫性が要請されるところに,その意味が見出されなければならない。
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