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文献概要
研究と報告
糖尿病患者にみられた特異なけいれん発作
著者: 高橋三郎1 千葉達雄1
所属機関: 1北海道岩見沢市立総合病院精神神経科
ページ範囲:P.599 - P.605
文献購入ページに移動I.はじめに
糖尿病とけいれん発作との関係については,以前から糖尿病治療薬としてのインスリンや経口糖尿病薬による低血糖症が注目されていた2)。また近年は,糖尿病患者にみられる特異な昏睡のなかで,ケトアシドーシスを伴わない非ケトン性高血糖性高滲透圧昏睡non-ketotic hyperglycemic hyperosmolar coma24)の際にしばしばけいれんが頻発することが報告されている。しかし通常のケトアシドーシスを伴う糖尿病昏睡diabetic coma with ketoacidosisにおいては,けいれん発作の出現は注目されていないようである。
われわれは最近,多彩な発作症状を示した糖尿病患者の1例を経験したので,ここにその臨床経過とともに発作時およびその後の継時的脳波所見について述べることとする。
糖尿病とけいれん発作との関係については,以前から糖尿病治療薬としてのインスリンや経口糖尿病薬による低血糖症が注目されていた2)。また近年は,糖尿病患者にみられる特異な昏睡のなかで,ケトアシドーシスを伴わない非ケトン性高血糖性高滲透圧昏睡non-ketotic hyperglycemic hyperosmolar coma24)の際にしばしばけいれんが頻発することが報告されている。しかし通常のケトアシドーシスを伴う糖尿病昏睡diabetic coma with ketoacidosisにおいては,けいれん発作の出現は注目されていないようである。
われわれは最近,多彩な発作症状を示した糖尿病患者の1例を経験したので,ここにその臨床経過とともに発作時およびその後の継時的脳波所見について述べることとする。
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