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短報
飲酒により誘発された急性Diphenylhydantoin中毒の症例
著者: 兼子直1 桜田高1 鈴木喜八郎2 大沼悌一2 福島裕2
所属機関: 1弘前精神病院付属弘前てんかん研究所 2弘前大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.615 - P.617
文献購入ページに移動抗てんかん剤による副作用には,投与部位の局所刺激反応,生体の過敏反応および過量投与(overdosis)によるものがある1)。したがって,多量投与せざるを得ぬ場合はもちろんのこと,適量投与と考えられる症例についても,副作用の早期発見とその防止には十分な配慮が必要である。
最近著者らは,通常の治療範囲量の抗てんかん剤を投与していたにもかかわらず,アルコール摂取を契機に急性diphenylhydantoin(DPH)中毒の症状を生じた症例を経験した。本例については,血清,唾液,および髄液内濃度を経時的に測定したが,その結果を治療に役立てることができたので,本稿では,臨床経過とともに上記体液内抗てんかん剤濃度の変動ならびに,脳波所見の推移を合わせて報告する。
各体液からの抗てんかん剤の抽出ならびに濃度測定は,おおむね宮本ら2,3)の方法に従った。
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