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特集 在宅精神医療(2)—社会復帰活動とその周辺
病院外における精神障害者社会復帰活動の現況—全国調査(1976)をふまえて
著者: 佐々木雄司13 関根和夫14 佐藤三四郎1 谷中輝雄2 田口義子2 荒田稔2 高畑隆2 北村早穂2
所属機関: 1埼玉県精神衛生センター 2社団法人やどかりの里 3現所属:琉球大学保健学部精神衛生学教室 4現所属:埼玉県川越児童相談所
ページ範囲:P.776 - P.783
文献購入ページに移動精神障害者にとっての社会復帰活動の必要性が叫ばれて,すでにかなりの年月が過ぎた。またそのあり方をめぐって,いくつかの議論が生まれた。これらの動きの中に「病院医療から地域医療へ」向かう大きな流れを見出すことができる。しかし地域における精神障害者の処遇の具体的方向については,われわれ第一線スタッフ自身にとっても,国や都道府県にとっても,いまだ暗中模索の点が多い。そこでわれわれは,まず地域における社会復帰活動の全国規模での実態の把握が必要と考え,この調査を実施した。
調査対象は精神障害者(精神薄弱者,アルコール・薬物中毒者を除く)の病院外における社会復帰活動に限定した。
調査はおよそ次の方法によった。まず各都道府県の精神衛生センター・相談所に対して,また未設置の府県では情報に詳しいとみられる医療従事者に対して,各都道府県での活動についてのアンケート調査を行なった。次にその中で興味深い活動や回答の得られなかった府県などで,必要と感じられた活動に対しては,われわれが直接赴いたり,電話したりして具体的な実情を把握した。以上によって得られた情報に,各精神衛生センター所報などによる資料を補足した。結果的には全都道府県からの資料が得られ,部分的には調査もれや不正確な点もあろうが,一応全国状況を把握できたと考えられる。なおこの調査は昭和51年4月1日現在行なわれている活動によって把握した。
本調査を通じ,社会復帰活動が実に多様であることを再認識させられた。以下4つの視点(Ⅱ〜Ⅴ)からの検討を試みた。
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