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文献詳細

雑誌文献

精神医学19巻9号

1977年09月発行

文献概要

古典紹介 解説

—ルドルフ・バリント著—「“注視”の精神麻痺,視覚失調,空間性注意障害」について

著者: 石黒健夫

所属機関:

ページ範囲:P.982 - P.985

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 Bálint症状群は半側空間無視とともに視空間失認の中核症状であるが,その報告は比較的まれで,1966年までに不全型を含めると報告例は32例(本邦11例),うち剖検は9例とされる5)。本邦ではその後,2例が学会報告のかたちでごく簡単に追加されたにすぎない3)。現在,訳者の森岩が1例と石黒が2例を検討中であるが,症例数が少ないのには,Bálint症状群を呈するほど純粋で高度の視空間失認はなかなか得られないということがあり,また,多くは視空間失認の極期に短時間しかみられないので,見過ごされている可能性もある。
 視空間失認,ひいてはBálint症状群が興味をもたれるのは,これらが単なる失認でなく,失行の要素を併せもつ点であろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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