文献詳細
古典紹介 解説
文献概要
Bálint症状群は半側空間無視とともに視空間失認の中核症状であるが,その報告は比較的まれで,1966年までに不全型を含めると報告例は32例(本邦11例),うち剖検は9例とされる5)。本邦ではその後,2例が学会報告のかたちでごく簡単に追加されたにすぎない3)。現在,訳者の森岩が1例と石黒が2例を検討中であるが,症例数が少ないのには,Bálint症状群を呈するほど純粋で高度の視空間失認はなかなか得られないということがあり,また,多くは視空間失認の極期に短時間しかみられないので,見過ごされている可能性もある。
視空間失認,ひいてはBálint症状群が興味をもたれるのは,これらが単なる失認でなく,失行の要素を併せもつ点であろう。
視空間失認,ひいてはBálint症状群が興味をもたれるのは,これらが単なる失認でなく,失行の要素を併せもつ点であろう。
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