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研究と報告
自動車運転事故の精神医学的研究—第1報てんかんと運転事故
著者: 内田亨1 戸嶋豊1 長谷川保1
所属機関: 1東大医学部精神医学教室
ページ範囲:P.29 - P.34
文献購入ページに移動1.てんかん発作をもつ自動車運転手20例中,事故をおこしたことのあるもの14例,このうち発作による事故は6例,30%である。
2.発作型別にみると,大発作15例,失神発作1例,もうろう状態1例,偏頭痛発作1例,大発作+不機嫌症1例,大発作+小発作1例で,大発作のみのものがもつとも多い。事故の原因をなした発作は大発作3例に対して失神発作1例,もうろう状態1例,大発作+不機嫌症1例であり,大発作以外の発作が事故の原因をなす傾向が大きい。とくにてんかん性不機嫌の1例は事故頻発の傾向が著明であつた。
3.病症の自覚および薬物治療の有無は事故の発現に影響するところが大きい。病症を自覚し,服薬するものは,しからざるものに比して,事故の危険が少ない。
4.走行距離と事故との関係は密接である。事故の多くは長距離運転のさいにおこる。
5.一般に発作は運転中よりも,休息,就寝などの緊張解除時におこりやすい傾向が認められる。
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