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研究と報告
電気けいれん療法の経過中に非定型的病像を示した躁病患者の1例
著者: 平井静也1 竹中久三2 福田千恵子1
所属機関: 1昭和医大附属烏山病院 2国立療養所久里浜病院
ページ範囲:P.43 - P.45
文献購入ページに移動1957年にフォン・ベーヤーは,電気けいれん療法の経過中に,一過性にうつ病患者に現われた非定型的(分裂病様)病像について報告した。これは本来の躁うつ病の症状にも,コルサコフやせん妄状態のごとくはつきりした器質的症状にも属さず,また最初ははつきりしない抑うつ状態にあつたものが,けいれん療法によりしだいに分裂病の症状を現わし,結局は進行性の分裂病の経過をとるものなどにも属しない,内因性のうつ病に短期間挿間的に現われ,けいれん療法の影響がなくなるにしたがつて,かなり急速に消失する分裂病に類似した病像である。
このような例は非常にまれなものであつて,実際上には大して問題にならないが,精神病理学的には興味あるものである。
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