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文献詳細

雑誌文献

精神医学2巻10号

1960年10月発行

研究と報告

分裂病者における言語の音調理解に関する研究

著者: 丸山芳也1

所属機関: 1日本大学医学部神経科

ページ範囲:P.667 - P.678

文献概要

まえがき
 分裂病者の言語については,これまで多くの研究が行なわれている。しかし,いまなお問題として残されている点も多い。その第1の点は,いままでの研究の多くが,患者の「表現」の異常に重点をおいて,患者が相手の言葉をどのように「理解」しているかを,あまり問題にしていないことである。たとえば,Kleistは脳病理学の立場から,分裂病者の言語表現を失語症と比較しているし,Schneider, C.,Gruhle,Berze,Kronfeld,Frostig,Schilder, Pなどは精神病理学的立場から,患者の言語異常を思考障害と結びつけて考察している。これらの研究は,患者の「言語表現の異常」を問題にしたものといえる。
 むろん,分裂病者の言語理解の異常を問題にしている学者がいないわけではない。Vigotsky,Cameron,Kasaninらは発達心理学的立場から,患者の言語理解の特異性をとりあげている。さらに一歩をすすめて,Kanner, L.,Slotkin, J. S.,高臣などは,行動ことに「対人関係における行動」として言語をとらえようとしている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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