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フランスの妄想研究(4)—第1部 症候論(つづき)—熱情妄想病(C.嫉妬妄想病),de Clérambaultの精神自動症,影響妄想,妄想直観—第2部 病因論—パラノイア体質論,Lacanのパラノイア心因論
著者: 小木貞孝1
所属機関: 1東京大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.725 - P.739
文献購入ページに移動C.嫉妬妄想病(délire de jalousie)
de Clérambaultは嫉妬妄想における熱情のもつ意義をみごとに指摘した。その後この線にそつてなされた研究は実に豊富な成果をもたらした。ここでは3つの代表的研究を展望してみたい。Minkowski,Lagache,Eyの研究がそれであるが,3人ともにおのおの独自の立場をもつていて相互の学説の比較という意味でも興味がふかいと思われる。
Minkowski1)は嫉妬妄想患者の1症例を中心とする研究を行なつた。
de Clérambaultは嫉妬妄想における熱情のもつ意義をみごとに指摘した。その後この線にそつてなされた研究は実に豊富な成果をもたらした。ここでは3つの代表的研究を展望してみたい。Minkowski,Lagache,Eyの研究がそれであるが,3人ともにおのおの独自の立場をもつていて相互の学説の比較という意味でも興味がふかいと思われる。
Minkowski1)は嫉妬妄想患者の1症例を中心とする研究を行なつた。
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