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文献詳細

雑誌文献

精神医学2巻12号

1960年12月発行

文献概要

展望

フランスの妄想研究(5)—第2部 病因論(つづき) 妄想の器質論,Pierre Janetの妄想論,Henri Eyの妄想論,あとがき

著者: 小木貞孝1

所属機関: 1東京大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.789 - P.794

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妄想の器質論
 MonakowとMourgue1)は精神機構に2つの階層を認め,これを本能領域(sphère des instincts)と因果領域(sphère de la causalité)とよんだ。本能領域は精神機構の下層を占めて生体エネルギーを放出する場であり,因果領域は上層にあつて人間が外部と交通する場である。彼らは,妄想や幻覚は,因果領域が障害され,本能領域の生体エネルギーが外界と交通できなくなつた状態であるとした。この場合,本能領域の非論理的でかつ本質的にthymiqueな面が表面にあらわれ,それが妄想の意味内容を規定する。
 この考えかたはGuiraud2)3)のいわゆる生物学的妄想論においてさらに発展せられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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