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文献詳細

雑誌文献

精神医学2巻4号

1960年04月発行

研究と報告

Antabusによる精神障害の5例

著者: 石井厚1 今井篤1 木村靖1

所属機関: 1東北大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.207 - P.211

文献概要

 Antabusの単独投与によつて嗜眠,疲労感,頭痛,記憶減退,食欲不振,悪心,腹痛,下痢,皮膚発疹,インポテンツなどの副作用が起こることはよく知られている1)。この副作用は通常Antabus1日量1.0g以上の連用にさいして起こるといわれるが,その程度はかるく,投薬の中止によつて容易に回復する。これに対してAntabusが激しい精神症状をきたすことがあるということをWolff(1950)21)Bennet(1950)2)らが報告した。
 その後,Antabusによる精神障害例が多数報告されており,本邦でも坂部・山村ら17),竹中19),関18,上村ら10)の報告があるが,われわれは5例のAntabus(邦製ノックビン)による精神障害例を経験したのでこれを報告し,主としてその病因について考察を加えたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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