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研究と報告
昏迷状態と性格
著者: 杉本直人1 田伏日出雄1 下条和敏1
所属機関: 1岐阜医科大学精神々経科
ページ範囲:P.231 - P.237
文献購入ページに移動昏迷状態は1つの症状であつて,各種の疾患に際して現われるものであり,Ey5),Delay4),Baruk1)らのいうごとく精神解体の程度が一定の段階に達すれば常にみられるものであるとするならば,昏迷状態の出現と性格の問題を論ずることは全く意味がないともいえる。しかしたとえば進行麻痺において一部のものに分裂病様病像がみられ,病前の素質乃至性格との関係が論ぜられるごとく緊張症候群の一つとしての昏迷状態についても,またうつ病そのほかの疾患に際しての昏迷状態についても同様のことが論ぜられる。
われわれは性格をロールシャッハテストによつて,また問診あるいは質問紙法(淡路式向性検査用)によつて調査し,その結果得られた性格特徴と昏迷状態の関係をみたが,これらの結果が昏迷状態の精神病理学的特徴をいかに説明し得るかを考察してみたい。
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