icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学2巻4号

1960年04月発行

文献概要

研究と報告

昏迷状態と性格

著者: 杉本直人1 田伏日出雄1 下条和敏1

所属機関: 1岐阜医科大学精神々経科

ページ範囲:P.231 - P.237

文献購入ページに移動

 昏迷状態は1つの症状であつて,各種の疾患に際して現われるものであり,Ey5),Delay4),Baruk1)らのいうごとく精神解体の程度が一定の段階に達すれば常にみられるものであるとするならば,昏迷状態の出現と性格の問題を論ずることは全く意味がないともいえる。しかしたとえば進行麻痺において一部のものに分裂病様病像がみられ,病前の素質乃至性格との関係が論ぜられるごとく緊張症候群の一つとしての昏迷状態についても,またうつ病そのほかの疾患に際しての昏迷状態についても同様のことが論ぜられる。
 われわれは性格をロールシャッハテストによつて,また問診あるいは質問紙法(淡路式向性検査用)によつて調査し,その結果得られた性格特徴と昏迷状態の関係をみたが,これらの結果が昏迷状態の精神病理学的特徴をいかに説明し得るかを考察してみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?