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研究と報告
Megimideによる脳波賦活の問題点—第1報 疾患群を中心としての検討
著者: 藤田千尋1 柄沢昭秀1 遠藤四郎1 川尻徹1 長谷川和夫1 高木垣太郎1 奥田裕洪1 大原健士郎1 石川信一郎1 石井昌子1
所属機関: 1慈恵会医科大学精神神経科教室
ページ範囲:P.533 - P.539
文献購入ページに移動Megimide(β-methyl-β-ethyl glutarimide)についてはまずそのbarbiturate antagonistとしての面がShaw,18)Schulman,17)Harris,10)らにより報告されたが,一方これの大量投与が動物にけいれんを惹起し同時に脳波上にはspikeを認めたというSchulman15)らの報告から,さらに本剤の脳波賦活作用についての検討が注目されてきた。Delay,5)Drossopulo6)らはMegimideを脳波賦活に用い,賦活効果はCardiazolと同様だが副作用は少く,脳波の変化が急激でなく,またMegimideによるseizureがspontaneous seizureによく似ていることなどをあげて,Cardiazolよりすぐれていると,結論している。同様の報告はBingle,1)Cohen,2)Coirault,3)Flodmark,7)Green,8)Rodin,16)切替11)和田20)直居13)中井14)富樫19)らによつてなされてきたが,一方Courjon4)らのごとくMegimideが必ずしもCardiazolと同様の効果があるとはかぎらないとのべている者もある。われわれも当初の経験からMegimideが副作用少く使用上便なことを知り,そこでさらに本剤の特徴を明確にしてこれの長所をもつともいかした賦活法を把握したいと考え,疾患群および正常群についてこの問題を検討してきたが,ここに第1報として対象の中心を疾患群においたMegimide賦活について報告する。
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