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研究と報告
Nialamideによるうつ状態の治療経験
著者: 林英三郎1 武村信男1 川久保芳彦1 小浜卓司1 小野和雄1 望月晃1
所属機関: 1日本大学神経科
ページ範囲:P.547 - P.553
文献購入ページに移動ここに紹介するHydrazine誘導体,Nialamide(Niamide)もanti-depressantとしての作用を有するものであるが,Hydrazine誘導体がうつ状態に有効であるということは,すでに古くから知られている。1950年,A. C. Washburneが抑うつ反応に対するnicotinic acidの大量療法について発表したが,その後Hydrazine誘導体が潜在的にanti-depressantとしての作用を有すること,およびその作用がmono-amine oxidase inhibitorsに起因していることが証明されるようになつた。この間Iproniazid(Marsilid)がうつ病の療法として紹介されたが,副作用とくに肝障害が顕著なために実用に供されるにはいたらなかつた。その後1957年にいたつてIproniazidと同様にHydrazine誘導体に属するNialamideが,やはりanti-depressant activityを有することがわかり,動物実験では,肝中毒作用およびそのほかの副作用のないことが証明され1),臨床的応用が期待される段階にいたつた。Nialamideは,化学名が1-〔21-(benzylcarbarbamyl) ethyl〕2-isonicotinoyl hydrazineであり,その構造式はである。
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