文献詳細
研究と報告
文献概要
Ⅰ.まえがき
強迫神経症の病因に関しては,こんにちまでさまざまな学説が展開されている。
すでにE. Bleuler1)3),Kehrer2),Schneider1)らによつて強迫神経症と分裂病との密接な関連が指摘され,Luxemburger3),吉川4)らの遺伝体質的研究も分裂病との関連を裏づけている。またBonhöffer5),Heilbronner6),Stöcker7)らは躁うつ病との密接な関係を認めており,Hoffmann8),Kretschmer1)らは分裂病と躁うつ病の両者との関連を主張し,Fuchs9)はてんかんとの関連を見出している。Bumke1)は強迫神経症を異常性格(強迫性格)と考え,さらにSchneiderは異常性格そのものかあるいはそのうえに発展した内的葛藤反応と考えている。またMeggendorfer10)はこのような強迫人の家系を報告している。しかし,一方アメリカ学派では,このような異常性格も主として心因的発展によつて形成されると考え,幼時の生活環境(対人関係)などの生活史的背景を重視している。
強迫神経症の病因に関しては,こんにちまでさまざまな学説が展開されている。
すでにE. Bleuler1)3),Kehrer2),Schneider1)らによつて強迫神経症と分裂病との密接な関連が指摘され,Luxemburger3),吉川4)らの遺伝体質的研究も分裂病との関連を裏づけている。またBonhöffer5),Heilbronner6),Stöcker7)らは躁うつ病との密接な関係を認めており,Hoffmann8),Kretschmer1)らは分裂病と躁うつ病の両者との関連を主張し,Fuchs9)はてんかんとの関連を見出している。Bumke1)は強迫神経症を異常性格(強迫性格)と考え,さらにSchneiderは異常性格そのものかあるいはそのうえに発展した内的葛藤反応と考えている。またMeggendorfer10)はこのような強迫人の家系を報告している。しかし,一方アメリカ学派では,このような異常性格も主として心因的発展によつて形成されると考え,幼時の生活環境(対人関係)などの生活史的背景を重視している。
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