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研究と報告
分裂病患者と職場復帰
著者: 立津政順1
所属機関: 1熊本大学医学部神経精神医学
ページ範囲:P.43 - P.47
文献購入ページに移動 この調査の対象は,某官庁所属の外務・内務従事者で分裂病に罹患し,療養後病状が改善し,復職を希望している39人である。
この中の22人は,2〜8回の入・退院を繰り返している。ここの対象分裂病者では,退院後1年以内における再入院の率や短い入院期間の率は,やや高いようである。
これらの人たちの約77%は,病気になって休業するようになってから調査時までの50%以上の期間,またその約65%の者は,在宅期間の50%以上の期間,欠勤している。
これらの人たちの入院期間,在宅期間は,個人間でも,また同一人でも場合により,差に長短いろいろあり,不規則である。退院後,例えば0ヵ月,6カ月,1年などのいろいろの時点において検討されたが,在宅という状態のそれぞれの時点から先,例えば6カ月以上続く場合を,頻度からみると,それら時点の相互間に大差ないし一定の規則性も証明されない。しかし,それらの時点が退院の時期から遠くなるに従って,例えばその時点から先3カ月以上在宅の状態が続く場合を実数でみると,だんだん規則的に減少する。これを要するに,このような分裂病の患者で,病状が改善し,作業にたえられるようになっておれば,その期間の持続は短かくとも,就業させるという方針に立てば,退院後はできるだけ早い時期に就業させた方が,それだけ多くの患者が職場に復帰できる,と言える。
この中の22人は,2〜8回の入・退院を繰り返している。ここの対象分裂病者では,退院後1年以内における再入院の率や短い入院期間の率は,やや高いようである。
これらの人たちの約77%は,病気になって休業するようになってから調査時までの50%以上の期間,またその約65%の者は,在宅期間の50%以上の期間,欠勤している。
これらの人たちの入院期間,在宅期間は,個人間でも,また同一人でも場合により,差に長短いろいろあり,不規則である。退院後,例えば0ヵ月,6カ月,1年などのいろいろの時点において検討されたが,在宅という状態のそれぞれの時点から先,例えば6カ月以上続く場合を,頻度からみると,それら時点の相互間に大差ないし一定の規則性も証明されない。しかし,それらの時点が退院の時期から遠くなるに従って,例えばその時点から先3カ月以上在宅の状態が続く場合を実数でみると,だんだん規則的に減少する。これを要するに,このような分裂病の患者で,病状が改善し,作業にたえられるようになっておれば,その期間の持続は短かくとも,就業させるという方針に立てば,退院後はできるだけ早い時期に就業させた方が,それだけ多くの患者が職場に復帰できる,と言える。
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