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文献詳細

雑誌文献

精神医学20巻1号

1978年01月発行

文献概要

研究と報告

ヒトの終夜睡眠脳波に及ぼすOxypertineの影響

著者: 小鳥居衷1 大川敏彦1 中沢洋一1

所属機関: 1久留米大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.65 - P.70

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I.はじめに
 Oxypertine(5,6-dimethoxy-2-methyl-3-[2-(4-phenyl-1-piperazinyl) ethyl]indole)はインドール核とフェニールピペラジン核とを結び合わせたような基本構造をもち,Archerらによって開発された抗精神病薬物である。われわれがoxypertineに特に興味をひかれたのは,従来のphenothiazine系あるいはbutyrophenone系の抗精神病薬物とは異なって,この薬物がインドール核をもっていることである。インドール誘導体には周知のようにLSD 25やpsilocybinなど精神異常惹起物質が知られている。インドール核を持つ化合物のあるものに精神異常惹起作用があり,他のものには抗精神病作用があることは興味のあることである。
 一方,睡眠に対するモノアミン仮説がMatsumoto and Jouvet12,17)によって提唱されて以来,睡眠とカテコールアミン,インドールアミンの関係がたちまち研究者の議論の対象となってきた。またLSD 25は一夜の唾眠の初期のREM睡眠を増加させる薬物であると主張するものがあり18),同じインドール核をもつoxypertineのヒトの睡眠に対する作用を検討することも,われわれの興味をひいた。今回,第一製薬株式会社よりoxypertineの提供を受け,正常成人の睡眠に対する影響を検討したので,他の抗精神病薬物の睡眠に対する効果と比較検討し若干の考察を加えたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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