文献詳細
シンポジウム 精神分裂病者の治療について—東京都精神医学総合研究所,第5回シンポジウムから
文献概要
Ⅰ.コミュニティ・ケアという言葉
精神医学ないし精神医療従事者の間で,コミュニティ・ケアという言葉はかなり前より用いられており,最近は,研究,臨床の報告等も発表されるようになった。外来語にしては発音も容易であり,使いやすい言葉の一つである。しかし,他のキャッチフレーズやスローガン等と同様に,言葉の意味は必ずしも明確でなく,またそれを用いる人によって多少異なった意味合いを持つことにしばしば気付かされる。
そこで本小論では,精神医療におけるコミュニティ・ケアとは何を意味するのか,更にわが国においてどのように実践されているか,あるいはさるべきなのかを考察したい。コミュニティという英語には通常,共同体,共同社会等という訳語があてられており,その社会学的な定義についてはここで論ずることはできない。しかし精神医療概念の中で,どのように用いられてきているかについて辿ってみることにより,その意味について考えてみよう。
精神医学ないし精神医療従事者の間で,コミュニティ・ケアという言葉はかなり前より用いられており,最近は,研究,臨床の報告等も発表されるようになった。外来語にしては発音も容易であり,使いやすい言葉の一つである。しかし,他のキャッチフレーズやスローガン等と同様に,言葉の意味は必ずしも明確でなく,またそれを用いる人によって多少異なった意味合いを持つことにしばしば気付かされる。
そこで本小論では,精神医療におけるコミュニティ・ケアとは何を意味するのか,更にわが国においてどのように実践されているか,あるいはさるべきなのかを考察したい。コミュニティという英語には通常,共同体,共同社会等という訳語があてられており,その社会学的な定義についてはここで論ずることはできない。しかし精神医療概念の中で,どのように用いられてきているかについて辿ってみることにより,その意味について考えてみよう。
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