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研究と報告
精神疾患患者同士の結婚について
著者: 田中雄三1 田中潔1 柏木徹1 福間悦夫2 川原隆造2 国元憲文2
所属機関: 1国立療養所鳥取病院 2鳥取大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.1069 - P.1077
文献購入ページに移動精神科における薬物療法の普及とともに,家庭生活を営みながら通院治療を受ける精神疾患患者の数が増加してきた。それとともに入院中心の時代と異なって,就職や結婚の問題がかれらにとって身近な問題として存在し,その成否がまたかれらの病状に影響を与えることから,精神科医が好むと好まざるとにかかわらず,これらの解答困難な問題に直接関与しなければならないことがある5)。特に精神疾患患者の結婚問題は,精神疾患が慢性疾患であり再発入院を繰り返しやすいこと,一般に入院期間が長期にわたること,精神疾患に対する社会的偏見があることなどにより困難な問題となっている。したがって病状が寛解に達した後も適当な配偶者にめぐまれず,結婚年齢が遅れたり独身をよぎなくされる場合が多い。しかし一方では患者同士が院内で親密となり,後に結婚にいたるケースもまれではない。精神疾患患者同士の結婚といえば,おおむね家人の反対はもとより,医師も消極的な態度をとることが多いのが実情であろう。そこで著者らはこれら精神疾患患者同士の結婚状態を調査し,その結果をもとに患者同士の結婚について何らかの指針を得ようとした。
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