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研究と報告
本邦におけるMichigan Alcoholism Screening Test(MAST)の応用—資料の統計学的検討を中心として
著者: 三田村幌1 小片基1 岡本宜明1 真田博志1 山本明1 寺岡政敏1 佐藤邦衛1 村山東平1 中川英範1
所属機関: 1札幌医科大学神経精神医学教室
ページ範囲:P.1079 - P.1096
文献購入ページに移動アルコール飲料消費量と並行してアルコール依存者の急増傾向が叫ばれている今日,社会的ならびに医学的観点からアルコール依存者の早期発見の努力が必要であり,本邦に適したAlcoholism Screening Testの開発は緊急を要する課題のように思われる。
本論文はSelzer1)(1971)が開発したMichigan Alcoholism Screening Testを本邦のアルコール依存者と非依存者904名について調査した資料とその統計学的検討である。すでに小片ら2)は第10回日本アルコール医学会(1975)でMASTの紹介とその意義と限界を指摘したが,第12回同学会(1977)における額田らの「ALCADD変法10項目」3),河野らの「KAST」4),ならびに谷らの「日本版MAST」5)にみられるように,Alcoholism Screening Test法の開発に関する研究が胎動しはじめており,今後さらに各方面からの新たな試みが期待されよう。本論文のねらいはそのための資料を提供することと著者らの今後のAlcoholism Screening Test開発と提案の基礎を示すことにある。
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