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研究と報告
妄想型分裂病における恋愛妄想—恋愛妄想の臨床的研究(その3)
著者: 高橋俊彦1 石川昭雄2 原健男3 酒井克允3
所属機関: 1名古屋大学医学部精神医学教室 2藤田学園名古屋保健衛生大学精神衛生学教室 3静岡県立病院養心荘
ページ範囲:P.1189 - P.1197
文献購入ページに移動先にわれわれは比較的了解性の高い恋愛妄想の症例について報告した1,2)。そこでは多くの人々が分裂病と診断するような症例は大体除かれた。そこで今回は誰によっても分裂病と診断されるような症例を取り上げ考察してみた。しかし周知の如く分裂病の概念は広く,また恋愛妄想も分裂病のかなり多数において,しかも種々の時期にみられ,さらには病者の症状および人格も含めた経過がらはその出現が唐突としか思えず,了解が非常に難かしいものもある。今回考察の対象として選んだのは,それらの中では比較的了解できそうな感触を与えてくれる症例に限られた。当然のことであるが病型からいうと,妄想型が中心となっている。いずれも発病以後数年以上の経過が把握できたものであり,恋愛妄想の主題がある時期中心になったもの,またはそれが繰り返されたものであった。考察の対象となったのは表の如く16例であった。
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