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文献詳細

雑誌文献

精神医学20巻12号

1978年12月発行

文献概要

特集 精神鑑定

供述鑑定と供述心理学

著者: 植村秀三1

所属機関: 1前東京高等裁判所

ページ範囲:P.1357 - P.1361

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Ⅰ.供述心理学の歴史とその重要性
 供述の信用性を研究する科学は,供述心理学である。この科学は,今世紀の初頭より現在に至るまでの間に,主としてドイツの学界と司法実務において発展してきた(末尾文献にあげたUndeutsch訳書38ページ以下参照)。現在西ドイツでは,風俗犯被害児(特に女児)の供述につき非常に数多くの鑑定が行なわれており(Arntzenによれば,1950年から1970年までの間に12,000件にのぼるという),鑑定の必要性を宣言する最高裁の判決も多数存在している。以上の研究成果は,成人の供述一般についても貴重な開明をもたらしている。
 また最近スウェーデンのストックホルム大学心理学教授Trankellは,自己の供述鑑定を基礎として,画期的な研究を発表し,同国の司法実務にも大きな影響を与えている(文献にあげたTrankell訳書参照)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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