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研究と報告
拒食・やせと分裂病様状態を呈する小児の1例について—Anorexia Nervosaと精神分裂病との関係
著者: 友成久雄1 早稲田芳男2
所属機関: 1宮崎県立病院精神科 2宮崎医科大学法医学教室
ページ範囲:P.185 - P.192
文献購入ページに移動神経性無食欲症については古くより多くの症例報告や総説がなされており,その発症には特異な精神力動が認められるとされている。しかし,本症には広汎な例が含まれ,また小児科や内科の領域でも多数例が扱われており,その成因についてはまだ十分解明されているとはいえない。
ところで,著者らは,濃厚な精神障害の遺伝負因をもち,神経性無食欲症(以下ANと略記する)の形で発病して,次第に分裂病様状態を呈するようになった10歳の女児を経験した。児童の精神障害については一般に多軸的診断がなされているようであるが,本例については種々検討の結果,その基本的障害は分裂病であると考えられた。したがって,本例は症候群としてのANを伴う例であるが,しかしその発症には種々の心理的・環境的問題が関与していると思われ,興味ある症例と考えられるので報告し,二,三の点について考察を加えたいと思う。
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