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文献詳細

雑誌文献

精神医学20巻3号

1978年03月発行

文献概要

巻頭言

大学精神医学と地域精神医学

著者: 山口成良1

所属機関: 1金沢大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.232 - P.233

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 昨年8月末から9月にかけて,ホノルルで行なわれた第6回世界精神医学会に出席する途次,北陸の精神科医を主とした約10名の団体を組んで,アメリカ西海岸の精神病院,大学を見学してきた。そこで気づいたことであるが,アメリカの地域精神医学が私が留学した15年前と比べて,非常に地についた活動をしているということである。
 例えば,カリフォルニア州のNapa州立精神病院の院長Linn博士の話では,現在ここでは,2,000人の入院患者(15年前は3,800人)に,2,000人の職員が勤務しているが,ダイレクトにこの病院を訪れる患者はなく,すべて郡のcounty mental health centerを通じて患者が紹介され,退院する際には,その患者の入院病歴のコピーならびに今後のcareについての医師のrecommendationをつけて再びもとのcounty mental health centerへ送られ,そこで色々の施設(halfway house,supervised apartment livingなど)を利用してのaftercareがとられているということであった。すなわち州立精神病院は,地域精神医学の一環としての役割を果たしており,精神病院と精神衛生センターとの役割分担が確立しているわけである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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