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文献詳細

雑誌文献

精神医学20巻3号

1978年03月発行

展望

Diphenylhydantoinの抗けいれん作用

著者: 田代信維1 武市昌士1 向野良介1 松島道人1 荒木隆次1

所属機関: 1九州大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.234 - P.246

文献概要

I.はじめに
 Diphenylhydantoin(DPH:Phenytoin)は現在抗てんかん剤として臨床上最もよく使用されているものの1つであり,大発作の治療にはなくてはならない薬剤である。このDPHはPutnamとMerritt(1937)86)によって,動物実験で抗けいれん作用が著明であることが確かめられ,またMerrittとPutnam73)によって1938年に臨床的に有効であることが報告された。動物実験結果と臨床治療結果が一致するというこの画期的な報告は臨床家や基礎研究者に新しい研究の方向を示唆した。またこの抗けいれん剤,DPHには催眠性がないということも31,73),それまでの常識を変えるものであった。
 以来この魅力ある薬剤の抗けいれん作用については多くの研究者達によって精力的に研究がすすめられ,他の抗けいれん剤に類のないほど多くの報告がなされている。その薬理作用についてはWoodbury(1969)113)またWoodburyとKemp(1971)115)の総説や,GoodmanとGillnan(1970)42)の薬理学書がある。このDPHは神経系のみならず他の臓器にも作用し,また合成系や代謝系にも作用するが,本文では主としてそれ以後の研究成果をもとに神経系に関するDPHの作用に限定して,特にその抗けいれん作用について紹介したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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