文献詳細
研究と報告
ACTH単独欠損症にみられた精神症状と脳波異常について
著者: 早稲田芳男12 友成久雄2
所属機関: 1宮崎医科大学法医学教室 2宮崎県立病院精神科
ページ範囲:P.399 - P.406
文献概要
内分泌ホルモンの測定法や機能診断法の進歩には近年目覚しいものがあり,それらに伴って内分泌疾患の機序も明らかにされつつある。その1つに下垂体前葉ホルモン単一欠損症があるが,なかでもACTH単独欠損症は1954年Steinbergら2)によって最初に報告されて以来,次々と症例報告がなされている。しかし,未だ症例数が少ないためか,とくに本疾患が視床不部・下垂体系の障害によるものとされながら,それらと関連する中枢神経系の症状については詳しい記載が見当らない。
一方,精神疾患と内分泌異常との関連性について多数の報告があり,今日ますます多くの学者たちはその精神機能異常の基底には,それに応じた脳代謝の異常があることを想定している5)。
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