文献詳細
研究と報告
文献概要
I.はじめに
全生活史健忘とは,自己および自己と密接に関連したことのみを全生活史にわたって忘却した特異な健忘状態で,心因性に生じるとされている。わが国においては現在まで10編前後の報告1〜11)があるが,心理的側面に比し器質的要因の検討は少なく,とくに脳波所見についてはほとんど注目されていないようである。われわれは,脳波異常を伴った全生活史健忘状態の1例を経験したのでその経過を報告し,とくに脳波異常のもつ意味について検討する。
全生活史健忘とは,自己および自己と密接に関連したことのみを全生活史にわたって忘却した特異な健忘状態で,心因性に生じるとされている。わが国においては現在まで10編前後の報告1〜11)があるが,心理的側面に比し器質的要因の検討は少なく,とくに脳波所見についてはほとんど注目されていないようである。われわれは,脳波異常を伴った全生活史健忘状態の1例を経験したのでその経過を報告し,とくに脳波異常のもつ意味について検討する。
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